シェットランド はじめての旅ガイド

ぬーでん!シェットランド Noo den! Shetland

シェットランド文化案内

このページでは、炎の祭り「アップヘリヤー」などの年中行事、ヴァイキングとスコットランドが交差したユニークな歴史を感じられる場所、そして今も残るシェットランド方言をご紹介します。旅のテーマを見つけるヒントとなれば幸いです。

読み物

年間イベント

☆アップへリヤー/火祭り Up Helly Aa/Fire Festivals

シェットランドの冬は、とにかく暗くて寒い!冬至の頃は、日が出ているのが1日でたった6時間ほどになります。しかも、曇りや雨の日がほとんどなので、太陽の光が恋しくてたまらなくなります。そんな年明けすぐの1月第2金曜日に古都スカロワの村で行われるのが、島で最初の火祭りで、島の人々は心踊らせます。

スカロワの火祭りを筆頭に、毎年1~3月の間、北から南まで島内12ヵ所で、火祭りが行われていきます。その中でも、島で最も大きい祭りが、1月末の火曜日に行われる首都ラーウィックの「アップへリヤー Up Helly Aa」。

アップへリヤーの朝、バイキングの衣装をまとった一団The Jarl Squad (ヤールスクワッド)は、ガレー船を引き、賑やかなブラスバンドの音楽隊を引き連れて、雄叫びの声をあげながらラーウィックの町を練り歩きます。バグパイプ隊も出動し、石造りの街並みにバグパイプが鳴り響き、雪のちらつく中、お祭り気分満点になります。

波止場で全員集合して、ガレー船の前で写真撮影した後、バイキングの一団たちは一日中、町役場、公会堂や博物館などの場所を次々に訪問していきます。

日が暮れると、たいまつの練り歩き torchlight procession が行われます。バイキングの一団のほかに、グループごとに思い思いの仮装をした何百人もの大勢の人々が行列し、それぞれ手には大きなたいまつを掲げて、Up Helly Aa の歌に合わせ賑やかに街を練り歩きます。

歩道には、島中から何千もの観客がつめかけます。真冬の寒空、ごうごうと燃えるたいまつからは観客の上にも火の粉が降ってきて、炎の熱と人々の熱気と、たいまつの燃料が焦げる匂いで、物凄い迫力です!パレードの最後に、仮装団は全員次々に公園に終結し、ガレー船に向かってすべてのたいまつを投げ込んでいきます。これが火祭りの締めくくりです。ガレー船は、大きな炎のかたまりになって、夜の闇の中で燃え上がります。

旅行者の方におすすめなのは、朝のコマーシャルストリートでのパレードと、夕方のたいまつのパレードの見学です。かなり冷え込みますので、寒さ対策をしっかりして、一日中楽しみましょう。

実は、祭りはその後、非公開でなんと朝まで続きます!ホールや公会堂に人々が集まり、食べ物や飲み物が振る舞われ、次々に仮装した出演団体(スクワッド)を迎えます。出演団体たちは、次々に演奏や踊りや寸劇などを繰り広げ、次の会場へと移動していきます。一晩中、人々は踊り歌いながら、朝を迎え、太陽の復活を祝うのです。翌日は、学校も仕事も休みになります。朝9時くらいのバスに乗ったら、パーティーから帰る楽しげな人たちに遭遇します。笑

このラーウィックの火祭りが過ぎると、毎日少しずつ日が長くなっていくのが感じられます。島中あちこちの町で火祭りが行われ、やがてシェットランドに春の気配が訪れます。

祭りの中心となる団体は、文字通り、丸1年かけて船を作り衣装を作り、祭りの準備をします。衣装は毎年新調し、当日まで色もデザインも秘密にされています。船も毎年燃やされるので、毎年作り直されます。祭りに対する気合いの入れ方が本当に凄いです。大人だけでなく、可愛らしい十代の若者の隊ジュニア・アップへリヤーもあります。この一連の祭りが島中で3月末まで続くというのが、本当にダイナミックでびっくりです!

Up Helly Aa – Official Website of the Lerwick Up Helly Aa Committee | Up Helly Aa

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これは、昨年のUnstの火祭りです。(写真はShetland Newsより)筆者の友人Duncanがバイキングの棟梁役に抜擢されて、大役を果たした家族写真。棟梁に選ばれるのはとても名誉なことだとされていて、何年も前から選出されて何年もかけて準備するんだそう。彼はこの祭りのために髭も長く伸ばしたそう。

☆シェットランドフォーク祭 Shetland Folk Festival

毎年4月末~5月初めに開催される、伝統音楽の祭典。島中がフィドルやアコーディオンの音色に包まれます。

シェットランドでは、伝統音楽で演奏されるバイオリンはフィドルと呼ばれます。人気がある楽器で、子どもから大人までたくさんの人が演奏します。また、アコーディオンも人気がある花形楽器です。

このフェスティバルは、地元奏者の演奏はもちろん、世界中から集まるアーティストの演奏も間近で聴けるのが魅力です。昼はワークショップやコンサート、音楽セッション、ダンスパーティーなどが行われ、夜は島中のあちこちのホールでコンサート(有料)が楽しめます。

コンサートの終演後、夜更けに街のミュージシャンたちは、フェスティバル本部であるアイルスバラ公会堂Islesburgh Community Centreに続々と集まってきます。この美しい公会堂は元々学校だった建物で、日頃から地域の文化活動に使われ、市民に愛されている場所です。深夜から建物のあちこちの部屋(元教室!)や廊下などで、夜通しの熱い音楽セッションが繰り広げられます。

下の写真は、Shetland Fiddlers Societyとダンサーたちによるコンサートの様子。私も出演していました!中心で喋っているのは、演奏家であり島の伝統文化の研究者でもある友人Barryです。

また、正面の不思議な衣装を着た人たちは、スケクラーといいます。オーツ麦の藁で作った衣装を着て、音楽に合わせて踊りながら家々を門付けする風習があります。

このフォークフェスティバルは毎年、日本のゴールデンウィークの期間に開催されます。音楽好きの旅行者なら、旅程をこの時期に合わせる価値大です。アットホームな祭りなので、国が違っても、音楽を通して友達がすぐにできます!

来年2027年は第45回、4月29日(木)~5月2日(日)の4日間です。宿の予約・船の予約はお早めに!

☆シェットランドウールウィーク Shetland Wool Week

シェットランドでは牧畜が盛んで、良質な羊毛がたくさん取れます。地元の羊毛を手で紡ぎ手で編み、自分たちの衣服を作ることは、厳しい自然の中で生きていくのに必須の技術でした。フェアアイル島発祥といわれる「フェアアイル編み」が、島では人気の編み方です。何色もの毛糸を編み込んで複雑な模様を作るフェアアイル編みは、かわいいだけでなく、温かさ抜群です。編み物産業は島の経済を支えてきました。

島の技術を継承するために、このウールウィークでは、講演会や、染め、紡ぎ、編みなどのさまざまなワークショップが行われ、作品展示会が島中のあちこちの会場で行われます。多くの展示会場では、地元のボランティアによって、お茶やお菓子が見学者に振る舞われます。座ってお茶を囲みながら、友人どうし、または知らない者どうしが自然と手芸談義に話の花を咲かせるのが、シェットランド流です。

今年2026年のウールウィークは、9月27日(日)~10月3日(土)です。ワークショップ等は要予約、有料です。展示会は無料です。

Shetland Wool Week https://www.shetlandwoolweek.com/

歴史散歩道

★クリックミン・ブロッホClickimin Broch (Lerwick )

6,000年前にはすでに、シェットランドには人が住んでいたと言われ、島内には青銅器時代や鉄器時代の遺跡がいくつもあります。その中でも、旅行者にとって一番行きやすい遺跡が、ラーリックにあるクリックミン ・ブロッホClickimin Brochだと思います(ブロッホとは砦の意味)。湖のほとりにある砦で、敵から攻められにくい構造になっています。何重にも石垣があり、中心の部分は当時三階建てだったそうです。誰が建てて、どのような暮らしをしていたのかは分かっておらず、謎に包まれています。

★ムサ・ブロッホ Mousa Broch(Mousa)

ムサ島Mousaにある、鉄器時代の巨大なbrochで、紀元前300年頃に建てられたと考えられています。高さ13mあり、階段で一番上まで登れます。ムサ島へはサンドウィックのサンゼア港から船で渡れます。

★バイキングの住居 The Viking Longhouse(Unst )

アンスト島にある、バイキングの住居longhouseが再現されています。バイキング船のレプリカもあります。アンスト島にはたくさんバイキングの遺跡が発掘されています。

バイキングがノルウェーからシェットランドに初めてやってきたのは、紀元800~850年頃と言われています。バイキングが島の文化を大きく形づくり、言葉や地名、風習などに形跡を残しています。15世紀に、デンマーク・ノルウェー王女がスコットランド王に嫁ぐ時、「持参金」として、シェットランド諸島とオークニー諸島はスコットランドに献上されました。それ以降、シェットランドはスコットランドの一部になって、今に至ります。

★スカロワ城 Scalloway Castle(Scalloway )

スカロワは昔、都が置かれていた場所です。この城は、オークニー・シェットランド伯爵パトリック・ステュアートの居城として、1599年に建てられました。彼は民衆を搾取したひどい領主として悪名が高く、ブラック・パティと呼ばれています。エディンバラで1615年に処刑されてしまいました。

現在、城は保存工事のため、中には入れません。美しいタワーハウスで、スカロワのシンボル的建物です。我が家の窓から見えます!

★フォート・シャーロットFort Charlotte (Lerwick)

17世紀半ばに、オランダ戦に備えて作られた砦で、強固な岩壁の上に12砲の大砲がサウンド海峡に口を向けています。18世紀にアメリカ独立戦争の時に建て直され、当時の王妃シャーロットの名前が付けられました。その後、二度の世界大戦では陸軍の本拠地として使われました。

★町役場 Toon Hall (Lerwick )

1883年に建てられたスコティッシュ・バロニアル・スタイルの重厚な建築。法的な手続きをするだけでなく、ホールは結婚式や同窓会、会議などに使われたり、地元のユースオーケストラのコンサートが行われたりします。美しいステンドグラスの窓が、この島の歴史を物語っています。自由に入って見学できます。

★The Knab (Lerwick )

ラーリックの町中心部から徒歩5分の海岸にある絶景ポイントで、海岸沿いが散歩コースになっています。岬の尖ったところにあるので、大戦中は軍の要所でした。

シェットランド方言 ミニ講座

シェットランド方言は、英語のネイティブスピーカーにとっても難しいと言われます。でも、発音の特徴をつかめば、少し聞き取りやすくなりますよ。まねして喋ってみると、地元の人と早く仲良くなれるかも!

《発音のコツ》

1、[th]の発音が[d]になるのが、大きな特徴です。

例 da ダ = the

midder ミダー = mother 「母」

2、rを巻き舌で発音します。

3、[ou アウ]の二重母音が[oo ウー]になります。

例 oot ウート =out 外へ

doon ドゥーン=down 下へ

hoose フース = house 「家」

sooth スース= south「南」

broon ブルーン = brown 「茶色」

4、[エイ]の二重母音が[アー]になります。

tak ターク = take, mak マーク = make「作る」

熟語も、Tak care タークケア、mak sure マークシューア

《語彙とフレーズ》

☆peerie ピーリー 「小さい」

★a peerie bit ピーリー ビット 「少し」

★Noo den. ヌーデン =(Now then) 「こんにちは」

★How’s du? ハウズ ドゥ(How are you?)「元気ですか」 du=you あなた

→答え方: Nae sae ill. ネースィイル (Not so ill)「悪くないです。」

☆canna キャンナ =can’t 「できない」

couldna クドゥナ = couldn’t「できなかった」

dinnaディナ = don’t 「しない」、

didna ディドゥナ = didn’t 「しなかった」

★I dinna ken. アイディナ ケン= I don’t know. 「わかりません。」

★I canna wait. アイキャナ ウェイト= I can’t wait. 「待ちきれません」

ぜひ使ってみてください!